伊作田稲荷神社(いさいだいなりじんじゃ)
南方熊楠もたびたび訪れた、神社林に包まれた静かな神社
稲荷神社の鎮座は古く、弘仁年間(810~824)に現・紺屋町から遷されたと伝えられています。
稲成町岩城山の南向きの丘陵地に広がった神社林は、自然の景観をよく保持しています。南方熊楠も菌、粘菌の採集にたびたび訪れています。
入口の大きな鳥居から神社林の中を歩いて行くと、歩道の両側にある灯篭が本殿まで続いています。歩道の右側にある舗装された道路から、車に乗って本殿の間 近まで行くこともできます。本殿までたどり着くと、稲荷神社ならではの鳥居が五つ立っており、両端には「おいなりさん」が出迎えてくれます。豊作を占う二の午の粥占い神事や、5月5日のお田植え神事などが市の無形文化財となっています。
主な祭り
1月第2月曜 | 例大祭 |
2月中旬 | 粥占い神事 |
4月3日 | 雛流し |
5月5日 | 御田植祭(田植神事) |
粥占い神事
大釜に炊かれた小豆粥に、さまざまな作物の名前(現在は番号)を記した竹筒を入れ、かき回します。竹に入った粥の詰まり具合で、作物のできばえを占う神事です。旧暦正月後の二の午の日に行われます。
御田植神事
稲荷神社の御田植神事は、御田祭ともいわれ、5月5日の午後、行われます。社前の広場を田と見立てて、その四隅に青竹を立てしめ縄を張りめぐらし、そこ で、まず、神主がお祓いをし、巫女が神楽を舞ってから、田植をする様子を再現する神事です。以前は、苗として神事の時に使われた藁は、神事が終わると氏子 がいただいて持ち帰り、水口へ立て自分の田の豊作を祈ったそうです。